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歯車、そしてすらいむの逆襲より出演。 歯生逆世界で新革命連合軍本部の砲台を主人公達が潰さずに待機する選択をすると敵の襲撃をくらい、その最後に出てくるグループがこいつとGR-05[D]である。 溶解AA?だかスライム兵器に鉄骨を仕込んだサイボーグのようなものである。 [R]型と[L]型があり、かたや炎熱斬りを使い、かたや稲妻斬りを使う、それ以外は落とすアイテムと見た目以外の違いはあまりない。 鋭角系の武器属性に弱いが打撃とx[N]攻撃には強い。 即死や暗闇が効く場合がある。 弱点は少ないがMPは200なのでそれを削ってしまうと楽になるだろうが、MP吸収技の消化液があるため油断は禁物だ。 全体HP回復+蘇生のリカバーの呪文を使うので泥沼化を防ぐためにもGR-05[D]より優先的に潰すほうがいいだろう。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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MATERIAL AAより出演、と思われる。 これに変身するための欠片はハルタートが所持しているためか、恐らく白い羽がネームレス(相棒)のエディタに認識されない。 白神山地戦でヒールを使って主人公達全員のHPを100回復してくれる。 しかしそれ以外での登場はなく、姿も性能も不明。 ヒールの性能から原作が推測できるのみである。 ちなみにギコエルさまより格下と考えられる。 天使系をどれだけ持っているんだろうはるたんは。 「……あの時の格好については、忘れるんですよ? いいですね?」 MATERIAL AAより出演。 エーに心酔されているが、本人はそんな彼女をもてあまし気味。 特殊な鏡を作る材料集めのため、ツーリア?と行動をともにしていた。 しかし水のほこら?にて宝箱を開けると堕天のマリスに憑依され暴走、そのままお色気モンスターに変貌してしまう。 しばらく自我を保つために持ちこたえていたが取り押さえようとした仲間のツーリア?は負傷し戦闘不能。 いよいよ完全に悪魔と化してしまうかというところでネームレス(主人公)やエーが救出に現れ、無事自我を取り戻した。 恩を返すために機械技師の屋敷にてブラウザ開発に携わることになる。 これによりエーのボルテージはMAXに達するであろうが、彼女のご心労もそうなってしまう事が懸念されてならない。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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乾いた風が吹く道を一人の青年が進んでいた。 灰色の髪に無骨な顔。緑のズボンと赤いアーマーを着込んだ男はナップザックを背負いながら正面を向いた。 青年の名はロイ。料理が趣味の旅人である。 趣味とはいえ調理師免許をもつくらい腕はある。そこらの料理人には負ける気はない。 料理に携わるものとしてのプライドも持ち合わせている。 (今日はここで休むか) ロイがたどり着いたエリアから、近い街を選び今日の宿を選ぶ。 治安もしっかりしていると手持ちのデバイスで確認して、エリアへと足を踏み入れた。 その彼がそこで忘れられない存在と出会ったのは、ただの偶然である。 当時は料理人かハンターか悩んでいる彼が、料理人の道を断念した記念すべき日だ。 これはひどい、とロイは思わず思考してしまう。 破壊されたビルに撤去されていないメカニロイドの残骸が道路に転がっている。 残っている建物も炎で焼けた跡や車がつっこんだ状態が放置されていた。 ガーディアンのメンバーがやたら多く、瓦礫などを撤去しているために一人つかまえてロイは尋ねる。 「おい、なにがあった?」 「一週間前にイレギュラーの襲撃があったんです。ここは危ないので、速やかに安全エリアへと移動をしてください」 そうロイへガーディアンの隊員は説明して、瓦礫の撤去の作業へと戻っていった。 タイミングの悪いときに訪れたものである。 自分が宿泊できる施設は残っているだろうか。 一縷の望みに託すようにロイは奥へ進む。 その考えが甘いことはすぐに分かった。 公共施設はヒトビトで溢れかえっている。本来の街の住民ですら避難所暮らし。 流れ者であるロイが過ごせる場所などありはしないだろう。なんてことだ。 (このまま通り過ぎて、別の場所へ向かうのもいいか) そう考えてため息をつき、歩くのを再開する。そこへ食事用トレイを持った子どもが通り過ぎた。 トレイに乗った食材に気づき、視線を移動する。 「サバ……?」 珍しい食材を見たものだ。魚自体最近は収穫量が減ってきている。 クローン食材がほとんどで、養殖ものすら魚は珍しい。 「あ、新しいヒトですね。食事はいかがですか?」 ロイが話しかけられ振り向く。ヒラヒラのメイド服が視界にはいり、内心なぜメイド服? とツッコンだ。 それはさておき、ロイは少し考える。旅の途中食料が不足し、食材の補充を期待して寄ったのだが今の状況では望むべくもない。 ゆえに一食でも浮かしたい、というのが理由の一つ。 もう一つの理由が珍しい食材をどう調理しているのか、料理人として気になった。 「わかった、案内してくれ」 ロイがそういうと、メイド服の女性が列の最後尾へと案内してくれる。彼女の他にも、複数のメイド服の女性がいた。 災害時の配給所としかいいようない施設でメイド服の女性が接客しているのシュールだ。 これでサバの食材をダメにしているような料理だったらどうしよう、とロイは本気で頭を痛めた。 □ 「天道、一つ聞いていい?」 「なんだ?」 端正な顔つきの長身の青年、天道総司は料理をしていた。なぜかというなら答えは単純。 一週間前のワームとイレギュラーの混合部隊の襲撃を受けた街のヒトビトに、暖かく美味しい食事を届けるためだ。 作務衣姿の天道はかつて妹に振舞ったように、料理をヒトビトに振舞っていた。 「なんで……アタシたち女性陣はメイド服なの?」 そういって喋る少女、エールはヒラヒラのスカートをちょんとあげる。 フワっとした黒い服にエプロンドレスを着けた、エールにしては珍しい可愛らしい服装だった。 普段は男勝りな性格に隠れる可愛らしいエールの顔が、やや紅潮して愛らしさを強化している。 そのエールに天道はサラッと告げた。 「似合っているぞ」 「うん、それはありがとう。けどこんな場違いな……」 「それは違うぞ、エール」 天道はあっさりと告げて天へ人差し指を向ける。 「おばあちゃんがいっていた。料理とは口に入ってからが料理ではない。目に入ってからが勝負だと」 よく通る澄んだ声が堂々と告げる。やや呆れ顔のエールに対し、なんの不満があるか本気でわかっていない顔だった。 「うん、この前みたいに食材を調達するのはよくわかる。けど今回は理解できない……」 ときどき天道は暴走する、とエールは天を仰いだ。 □ この日から二日ほど前、ライブメタルの捜索を一旦中止してエールは街の復興を手伝うことにした。 なぜか堂々と指揮を取っている天道に呼び出され、とある漁港へ連れてこられたのだ。 「天道、食材はプレリーたちが調達してくれるみたいなんだけど……」 「基本はそれで構いはしない。だが、新鮮であることが重要な食材もある。そのための交渉はすでに終えている。付き合え」 はあ、と料理は専門外であるためエールは天道に従った。 しかし、なぜ自分だろうかとエールは疑問をもつ。 そうこうしている間に、港の一つの船へ天道が向かった。 「お、天道のアニキ! 船の用意は出来ているぜ」 そういう男に天道は静かに頷いた。エールはガラの悪い服に身を包み、赤い兜をかぶった男を観察した。 なんとなくだが、堅気の人間っぽくない。 「礼をいうぞ、ウルフ」 「へへっ、あのとき助けてもらった礼ですぜ。ところで、そのお嬢ちゃんは天道のアニキのコレで?」 ブッ! とエールは小指を立てるウルフの仕草に吹き出した。 顔を真っ赤にするエールを前に天道は微塵も動揺せず説明する。 「同僚だ。今回の仕事を手伝ってくれる」 「通りでアニキのコレにしちゃ子供すぎると思ったぜ。嬢ちゃん、俺はウルフってんだ。よろしくな!」 「……アタシはエール。ヨロシク」 エールは子供扱いされたことに不機嫌さを隠さず、ウルフの差し出した手を握り返した。 口調が棒読みになりウルフにプレッシャーをかけて引かれているが、気にしない。 「時間がない、ウルフ。船を出してくれ」 天道の指示通り、ウルフは操縦室へ指示を飛ばす。船が出てエールの不機嫌さを指摘した天道に「なんでもない!」と答えた。 数時間かけて訪れた地点で船を止め、天道が海を前に網を用意した。 そこへウルフが愚痴ってくるのをエールは見ている。 「天道のアニキ、漁業ができる時間は少ないですぜ。まったく、魚の保護とかいって量も時間も決められているなんて……」 「しかたない。より美味しい魚が多くのヒトに行き届くためだ。俺は妥当だと思っている」 今回必要な分さえ確保できればいい、と天道は告げてカブトゼクターを掴んだ。 いつの間にかベルトを巻いているのに、エールは疑問符を浮かべる。 ウルフがそのエールの疑問を尋ねてた。 「へ、変身するんですか!?」 「その方が早い。あと十分ほどでサバの群れがここを通る」 「いったいどういう根拠でいっているの?」 「俺の計算と、長年の勘だ。変身!」 ウルフは変身できるのを知っているんだ、とポツリと漏らすが気にするものはいない。 変身を終え、銀の仮面ライダー、カブト・マスクドフォームへと変身を終える。 カブトは網をつかんで、エールへと視線を向けた。 「エールも変身しろ」 「へ? アタシも?」 「ドレイクゼクターを使えば水中も行動できるはずだ。確かマスクドフォームとライダーフォームの特製が混ざっているという話だったな?」 『ええ、それは本当だけど……もしかしてサバを捕まえるためにエールを連れてきたの……?』 「その通りだ」 モデルXの疑問にカブトは迷いなく答える。モデルZは呆れて声もでない。 エールは天道らしいなあ、ぐらいしか感想がでなくなっていた。慣れって怖い。 エールは特に反対らしい反対もせず、あっさりとロックマンDX(ドレイクエックス)へと変身した。 □ (ごめんね、ドレイクゼクター。あなたの力をくだらないことに使って……) まあ、謝ってもしょうがないかとエールはあっさりと思考を切り替える。 配給用の食事をトレイに乗せて次々配っていった。 エールも協力したかいがあってか、サバはヒトビトに人気だ。 サバを使った料理は天道の得意料理らしい。昨日作ってもらったときは確かにうまかった。絶品だ。 灰色の髪の旅人らしきヒトに配給し、エールは離れた。 「ムッ! この味は…………」 男のつぶやきになんとなく興味を持ってエールは振り向く。 男は身体を震わせてスプーンを口に含んだままで目を見開いている。 さらに身を切り分けてサバを三口に含み、男ははぁ、とため息をついて空を見上げた。 「な、なんという味わい深さ……。サバを煮て味噌とタレをかけただけの一見単純な料理に見える。 しかし火はサバ全体に均等に通り、子供も食べやすいように小骨をとっているというのに身が崩れていない。コレは料理人、手馴れているな……」 男のつぶやきにエールは思わず笑みを浮かべる。 天道の料理の腕はガーディアンのみんなが認めている。 その彼が褒められているのは、なぜか知らないが誇らしかった。 男はさらに食を進めて感動に身体を震わせていた。 「赤味噌と白味噌がいい具合に混合されている……四:一くらいの割合か? サバを知り尽くしている……まさか。 すまないがそこの娘さん、頼みがある」 「はい?」 話しかけられるとは思っていなかったエールが、思わず間抜けな返事をする。 男は真剣にサバを示して詰め寄ってきた。 「このサバの味噌煮を作った男のもとへと案内して欲しい!」 溢れる熱意に少しだけたじろぎながら、エールは首を縦に振った。 エールは天道の元へ怪しい男を一応警戒して連れてきた。 天道の手際は恐ろしくよく、溢れかえっていた街のヒトビトへの配給分の食事はすでに作り終えている。 後の巡回に加わるためである。いつか天道がプレリーのことを働きすぎだと評していたが、エールからすれば天道もその類の人間である。 閑話休題。 天道のもとへロイを案内したエールの眼前に、奇妙な光景が映っている。 ロイが土下座して天道へ今後の料理の手伝いをさせて欲しいと懇願している。 なぜこうなったのか、少しだけエールは記憶をさかのぼってみた。 「あんたがこのサバの味噌煮を作ったのか?」 「そうだ」 ロイの不躾な態度に、さらに上回る不遜な態度で天道が返した。 問答無用なロイの態度にエールは疑問を抱く。先程まで味に感動をしていたのに。 「あんた……いったいなに者だ? こうまでサバに精通しているなんて」 「おばあちゃんがいっていた。料理の道は天の道に通じる。ゆえに俺こそがすべての味を知る資格があるとな」 「天の道!?」 ロイが天道の言葉に反応する。エールとしては聞き慣れたが、初見で天道の口上は呆れるよね、と頷いた。 もっとも、天道本人にいってもフッ、とキザな笑みを返されるだけだが。 しかし、ロイの反応はエールの期待したものではなかった。 「まさか……あの天の道か!?」 「天の道は一つしかない」 「バカな……あの天の道はとっくの昔に後継者をなくしたという話だ……。だが、このサバの味……本当の本当に天の道なのか……?」 「あのー、天の道のどこに驚いているの?」 エールはロイの予想外の反応に思わず尋ねてしまう。ロイはエールを一度みて呼吸を整え、静かに話を続けた。 「万の料理法に精通し、特にサバと豆腐の調理において右にでるものはいない。食べたものを天国へ招待し、味わったものはすべて神の福音を耳にする。 その料理はいくら金を出しても味わえるものではないが、真に飢えたものには無償で料理を振舞い義の料理人と称された。 東にサバを担いで現れたと目撃されて、すぐ西で豆腐をもって神に迫る腕を披露した神出鬼没の存在。 かつて料理界を闇の料理人が支配しようとしたとき、天の道を極めた料理人が立ち向かって世界の料理を守ったといわれる救世主。 幻の白包丁を持つ伝説の料理人の称号……“天の道”。その後継者だというのか……?」 半信半疑といった様子でロイが熱く語る。途中でエールへの説明という部分を失念しているように見える。 どちらかというと天道に確認をしたいという様子だ。 いくらなんでもおおげさだとエールが思っていると、天道は真剣な眼差しのままロイへ告げる。 「よくわかったな」 「ちょっとは否定しなさいよ! おおげさでしょうがッ!」 エールがツッコムが、天道はむしろエールを不思議そうな瞳で見つめる。 エールが悪いのは自分か? と疑問を抱いて言葉をぶつけた。 「だいたい、白包丁なんて持っているの? 今まで使っていないでしょ?」 「持っているぞ、ほら」 エールの疑問に天道があっさりと答えた。あるのかよ! という内心のツッコミをしたままエールは差し出された白包丁をつかむ。 白い鞘に包まれた包丁を引き抜こうとするが固い。エールが「ぬぅぅぅぅ……」と力を込めるが抜けない。 「なにこれ……?」 「そう乱暴に扱うな。俺にも触らせてもらっていいか?」 ロイが横から口を出し、エールから包丁を受け取った。ロイも包丁を抜くことが出来ないらしい。 砥が行き届いていないんじゃないか? と責めるように天道を見るが、天道はあっさりと包丁を引き抜いた。 暖かい陽光のように刃が光を反射している。曇りない刃は見事に研ぎ澄まされていた。 ならなぜ先程は抜けなかったのか不思議だが、疑問はロイが解いた。 「本物の白包丁……自らが扱うものを選び、その者しか抜けないという伝説は本当だったのか」 いや、疑問が解けたのではない。わけわからない答えが返ってきたのだ。 エールはファンタジーの伝説の剣のような設定の“包丁”がバカバカしくて溜息をつく。 斬る相手は魔物ではない。食材なのだ。呆れるのも無理はない。 「本物の天の道がこんなところに……いや、天の道だからこういう場所にいるのか……」 なんだか天の道に対してのエールの印象が崩れていく気がするが、事実ならしょうがない。 天道が異世界の人間ということを知らないため、天道にそういうことをしている暇がないはずなのだがエールにはツッコメない。 エールの呆れた感情が膨れ上がるなか、ロイが地面に屈する。 両膝を折りたたみ、地面に手をつけて頭を下げた格好。たしか土下座といった行為だ。 「頼む、俺をあんたのもとで料理を手伝わせてくれ!」 ロイがこれ以上にないくらい真剣な言葉で告げる。 置いてきぼりを食らったような気持ちのエールが天道を見ると、天道は厳かに頷いた。 「いいだろう。だが俺の指導は厳しいぞ」 偉そうに。エールの感想は感激したロイの威勢のいい返事に掻き消えた。 ため息をつき、エールは再び悟る。天道に常識は通用しない、と。 □ ロイが天道のもとで料理を手伝うようになって翌日。 またも街を訪れる男がいた。黒いマントで全身を包んだ男が笑う。 道いく人は振り返り、妙な格好をする男に首を傾げていたが構わない。 「フフ……天の道。待っていろよ……」 男が不気味に笑いカミナリが落ちる。雷雲轟くなか、不気味な男の笑い声が響いた。 「おい、そこの男。身分を確認させてもらうぞ」 ガーディアンのメンバーがあっという間に取り囲み、男をチェックし始める。 ちなみに男が不審人物と通報されて解放されるまで一日を要した。 「天道さん、賄いをつくってみた。どうだ?」 「ふむ」 天道がロイの用意した賄い食を一口分スプーンで掬った。忙しい昼時も終り、ロイは批評を頼んでいたのである。 その天道のスプーンが横から奪われ、怪しい風体の男が食べた。ロイは怒り、男へ抗議する。 「あんた、なにをする!?」 「ふん。天の道がいると聞いてきてみれば……なんだ、この賄いは?」 ズイ、と男がスプーンをロイへ突き出す。ロイが困惑しているが、怪しい男は興奮して責めつづけた。 「火の通りは悪くないが、魚に金物臭さが染み付いている。キサマ、包丁を使ってこの魚を切ったな?」 「あ、ああ」 「身が崩れにくい魚にはなるべく竹包丁を使うのが常識だ。身が崩れやすい魚でも、金物臭さが染み付かないように気を付けるのは当然の心構え。こんな料理、豚の餌だ!!」 男が興奮しロイを罵倒する。エールは横で聞いていたが、いきなり現れて偉そうに説教する身元不明の男に我慢がならなかった。 言葉を失っているロイをよそに、エールがくってかかる。 「いきなり現れてなによ、あんた!」 「ふむ、そういや自己紹介がまだだな。天の道、キサマに勝負を挑みに来た。我ら……闇の料理人がな!」 「闇の料理人だとォ!?」 「…………知っているの? ロイさん」 またワケのわからない男が出てきた、とエールが呆れながらロイに尋ねる。 ロイはエールに天の道を説明したように険しい顔で闇の料理人について語りだした。 「この世に権力者が現れて以来、彼らはみな腕のいい料理人を傍らにおこうとした。 権力に仕える料理人の中から、やがてその料理の力で権力者の心と身体をも操る者が現れた。 そのような闇の料理人の頂点に立つ者に伝わってきたものがある。白包丁と対をなす、その名も……」 「黒包丁。こいつのことかな?」 不気味な男が含み笑いを浮かべたまま、妖しい光を放つ包丁を掲げた。 エールは眉をピクリと動かす。確かにあの刃には普通の刃物にはない妖しい雰囲気が存在する。 まるで血を吸い取り、光を増すような妙な感覚にとらわれた。背ずじがゾクリとする。 あれはそうそう簡単に手にしていいものではない。ごくり、とエールはツバを飲み込んで思った。 (でもあれ、包丁なのよねぇ……) いまいち、緊張感に欠ける。エールは誰かに愚痴りたい衝動をこらえた。 だいたい闇の料理人ってなんだ。権力者を操るとか、たかが料理に出来るのか。 ミニ四駆で世界征服を目指すマッドサイエンティストを漫画で読んだ大人のような醒めた感想しか浮かんでこない。 「なるほど……俺を倒し闇の料理人の再興の憂おいを断つということか」 「そういうことだ……クックックック」 そういってマントを男が脱ぎ、秘密のヴェールを脱ぐ。 和服をスラッとした肢体で着こなした妖しい光の瞳の男。 「俺の名はヨミ! 闇の料理人最強の後継者として、天の道! キサマを倒す!」 「いいだろう、俺はどんな勝負からも逃げはしない」 そういって二人は黒包丁と白包丁を構えた。ニヤリ、と天道が強敵を認めた笑みを浮かべる。 始めて見る表情だが、なんだかもったいない気がする。それもご愛嬌。 「勝負は明日、午前十二時……パスタ対決だ! 逃げるなよ?」 ヨミの挑発に天道はフッ、と笑って挑発する。いつもと変わらない態度。天道はいつでもどうぞ、と言外で告げていた。 踵を返す男を見届け、エールはドッと疲れる。妙なことにもなっったのだと呆れ果てるしかなかった。 ヨミが帰った後、ロイがすぐに天道に頭を下げた。 天道は首をかしげるが、ロイは悔しそうに声を搾り出す。 「すみません……俺のせいで……」 「いや、どの道奴との対決は免れなかった。そう悔やむな」 それに、と天道は不敵に笑う。戦場で何度も目にした頼もしい眼差しだ。エールには見覚えがある。 「俺は負けはしない。なぜなら最強だからな」 それは料理対決で使う台詞か。 そうツッコム気力もエールにはなかった。 「天道さん……しかし、パスタ対決……」 「問題はない。材料は揃っているからな」 「いつの間に?」 「なに、こんなこともあろうとだ」 伝説の台詞を告げる天道だが、いったいどういう場合を想定したというのだろうか。 まだ単純に明日のメニューはたまたまパスタだった、と説明された方が納得いく。 もっともそんな常識的な答えが返ってくることは、エールはとうに諦めているが。 「ロイ、お前の賄いは奴の言い分が一部正しい」 「ああ……俺はまだ未熟だ」 「だが、そう落ち込むことはない。なにより、食べるものに喜んで欲しい。そういう料理の王道から逸れていない。俺が保証する」 そういって天道はロイにほほ笑んだ。ロイは驚いて戸惑っていた。 本当、面倒見はいい奴だ、とエールは少し胸が暖かくなった。 □ 太鼓が叩かれ、賑わっている配給所に一際大きい音が鳴り響いた。 テントが並び、普段はここでの料理を楽しみにしている一般人も祭りの雰囲気に色めきだつ。 ちゃんとお客さんが味わえるように五十ほど席が作られている。あぶれた人は立ってまで見ようと足を運んでいた。祭り好きなんだろうか。 観客席の眼前では、TV局のスタジオくらいの広さの空間が開けられていた。 対をなすキッチンが二台。食材が山ほど周囲に詰まれている。 キッチンの奥には、三つの客席が存在していた。上には観客に見えやすいようにTVまで取り付けられている。 その準備の良さをみて、エールは何度目かわからない呆れたため息をついた。 「お、どうっスか? エール」 「これ、アンギーユが用意したの?」 「そうっス! ちょっと苦労したけど、また料理対決が始まるなんて楽しみっス!!」 「また……?」 「あ、そういやエールは病院にいたっスね。そのころ闇の料理人の使いってのが天道に挑んできたんっス。 今度は大物だから、一番白熱したバトルになりそうっス!!」 そんなことがあったんかい、というエールのツッコミは虚しく消えた。 髪が逆立ったアンギーユが忙しそうに離れていった。なんだかなー、とどこか醒めた目つきでエールは舞台へ視線を移す。 料理勝負は間近に迫っていた。エールは自分に与えられた席へ向かった。 「え~と、ほ、本日は天道さんと闇の……闇? 闇の料理人・ヨミさんの料理対決へお集まりいただき、感謝します」 金のブロンドが陽光を反射して輝き、赤に近い桃色の司令官用制服に身を包んだプレリーが戸惑うように料理対決の始まりを宣言する。 同時に場は盛り上がり、盛大な歓声が広場に響いた。 エールは周囲の盛り上がりを醒めた目つきで見ながら、プレリーまで巻き込んでいたことに驚いた。 最初真ん中の席に座らせたとき、プレリーが戸惑ったようにキョロキョロしているのをプレリーは見逃していないが。 「勝負の方法は簡単。二人に料理を作ってもらい、みなさまに食してもらって採点してもらいます。料理品目はパスタ。 手元に二つのスイッチがありますので、食後に美味しいと思った方のスイッチを押してください」 そういってエールは手元のスイッチを見た。白いスイッチが天道、黒いスイッチがヨミという人だ。 ガーディアンのメンバーが判断すると天道が有利すぎるため、発案したルールなのだろう。 まあ、天道なら「美味いとみなが思う料理こそ、最高の料理だ」とでもいいそうだが。 ふっ、と場の空気が変わる。まるで戦場のような感じにエールは警戒して周囲をみやる。 周囲のヒトビトも空気が変わった程度は理解したらしく、戸惑っていた。 エールは殺気の発生源を見つける。ヨミと名乗っていた男が、天道を殺しかねないほど鋭い視線を送っていた。 ニヤリ、とヨミが笑う。 「この料理対決、一筋縄ではいかないな……」 「ロイさん」 エールはいつの間にか隣にいた青年の姿に驚く。 料理に真摯な態度の彼は天道とヨミの姿を凝視していた。 場を支配する緊張感を前に、プレリーが合図をする。 「それでは料理対決、始めてください!」 プレリーの凛と通った声が広間に響き、同時に天道とヨミが包丁をとる。 神速の包丁さばきが両者のキッチンで繰り広げられた。 □ パスタを茹で上げる時間はほぼ同時。ヨミはデュラム小麦を使って練り上げ、切り揃えたパスタ麺のお湯を切りながらソースの続きに取り掛かる。 パスターメーカーを横切りニンニクの香りがするフライパンを確認する。ウィンナー、マッシュルームを炒め煮ていたトマトソースを準備する。 食欲を刺激する強い香りに周囲の人を取り込んでいることをヨミは自覚していた。 料理に置いて見た目の前の段階、匂いが重要である。食材が持つ香りを何倍にも増幅し、鼻に届けることによって食欲を刺激する。 見た目、食感、味、とさらに段階を踏ませて五感を通したときこそ、ヒトは料理に支配される。 料理の進行状況は満足といっていい。天道を見る余裕もあった。 ヨミは天道の手際のよさに感心し笑みを浮かべる。闇の料理人と天の道……光の料理人は対をなす存在だ。 しばらく途絶えた光の料理人。最後と思われる後継者の登場にヨミは心が踊った。 料理とは味で相手を快楽につけて、屈服させるもの。 闇の料理人の基本であり、これまで生きたヨミの信念だ。 そのヨミと違う料理を作るものを屈服させることで、闇の料理人が正しいことを世界に知らしめる。 ガーディアンの司令官が存在しているとは都合もいい。 光の料理人、天道に勝ちここを世界の支配の足がかりにする。 長年の闇の料理人の悲願。ヨミは力を入れて自慢の逸品を作りあげていった。 天道を意識するヨミとは対照的に、天道は気負わずいつもの通り料理を作っていた。 本来の時間軸とは違い、天道は闇の料理人が一人、生簀一郎と料理勝負をしたことはない。 だが、白包丁を手にしたあの日、似たようなことが“この”天道にもあったのだ。 オリーブオイルをひいた鍋から、強い磯の香りが広がる。 イカの輪切り、殻を剥いたエビ、あさりを均等に火が通るように炒めあげていった。 シーフードソルトにトマトの香りがただようソースを入れて、しばらくして小皿にとって味を確かめながら満足に頷く。 天道はヨミを見ていない。それは眼中にないのではなく、料理にとって大切にしていることの相違の現れだ。 タマネギを転がして包丁を手に取る。そこでヨミが話しかけてきた。 「おい、天の道。キサマ……ふざけているのか?」 「なんの話だ?」 「なぜキサマ……白包丁を使わない!」 フッ、と天道が笑う。最前列のロイがなにか気づいたような顔をしている。 こいつはあの日、ヨミによってバカにされた料理の時に使っていた包丁だ。 「お前がバカにした金物包丁だが、こういう場合は白包丁より役に立つ。ただそれだけだ」 「ほざけ……後で泣き言をいっても遅いぞ!」 そういってヒートアップするヨミを余所目に天道は手を進めた。 ヨミがあえて香りを強調しているのを天道は止めはしない。 料理は香り、見た目、味と五感からくるものと基本がわかる相手。 しかし、惜しいと思う。ならば天道の天の道が示してやらねばならない。 リズミカルにタマネギを切る音がやみ、みじん切りになったそれを鍋に入れた。 「終了!! 二人とも手を止めてください!」 マイク越しに司会者を買ってでたウイエの声が拡大されて広場に響く。測ったかのように天道とヨミは手を止める。 出来上がった料理を前にヨミは腕を組んで自信満々に佇んでいた。 対し、天道はあくまで自然体である。 「それでは両者の料理を皆さんに食べてもらいます。まずは…………」 「俺からいかせてもらうぞ、天の道」 ヨミが自信満々に前に出る。天道は無言で頷いて文句はない、と態度で示した。 ヨミはバカな行為だと天道を蔑んでいる。わざわざトマトソースを使ったパスタとしてメニューをかぶらせたのは偶然ではない。 同じくトマトを使ってかつ、天の道より闇の料理人が優れているというのを示す。 それだけではなく、先に料理を出した方が有利なのは明白。味に慣れてしまい後出しの評価が落ちやすいのだ。 もっともこれは、出来上がった料理の味が同等以上でないと意味がない。もし後出しがうまければ、あっという間に先出しの料理の味は上書きされる。 だからこその自信。絶対負けないという闇の料理人の自負がヨミにはあった。 ヨミはニヤリと笑みを浮かべて、モッツアレラチーズを乗せた真っ赤なパスタを評価をするヒトビトへ配ることを顎で指示した。 偉そうな態度であるが、周りは従って配っていく。 客という名の支配するべきヒトビトが、鮮やかな赤いパスタの香りにどよめいた。 見た目、香りともに客を支配している。後は口にしてもらうだけだ。 「品目はモッツアレラチーズのトマトソースパスタ。トマトソースの香りがお腹を刺激します。早く食べた~い! それでは皆さん、試食をどうぞ!」 ウイエの合図とともに、フォークを手にとってヒトビトがパスタへ手をつける。 勝ちを確信しているヨミは口の端を持ち上げるだけだった。 (パスタか……) ガーディアンの司令室でモデルVの反応を追っていたプレリーは、ウイエたちに無理やり連れてこられて解説役を押し付けられた。 平和のためにガーディアンの司令官としては有能であるが、プレリーは料理に詳しくはない。 天道が着てから食事が豪華になったのだが。 それはさておき。 料理に疎いプレリーだからこそ、試食役兼解説役を勤められた。プレリーの両隣にいるヒトは、この街の住民だが普段は天道食道に足を運んでいないヒトたちだ。 プレリーと同じく料理に詳しいわけでもない。あくまで平等に、とは天道の望みだ。 プレリーはフォークでパスタを巻いて、トマトソースで赤く染まった麺を口に運ぶ。 モッツアレラチーズを巻き込んだパスタがプレリーの可憐な唇の中へ入り、チュルンと少しでた麺を吸い込む。 「……ッ!? こ、これは……」 プレリーがつぶやき、驚愕の色が瞳に宿る。いや、プレリーだけでなく周囲の人間すべてがそうだ。 口内から立ち昇るトマトスープの香り。舌を這い通る麺の柔らかくかすかに芯の通ったアルデンテの感触。 モッツアレラチーズとトマトで染まった麺が舌を刺激、かつ後味がすっきりしている。 プレリーの眼前に光が満ちて視界が白くなり、思わずつぶやいた。 「天国だ~~~~」 プレリーだけでなく、食した全員が同じ言葉を叫んだ。 プレリーの右隣りに座る恰幅のいい中年男性が皿を持ち上げる。 つられて左隣の品のいい老女も立ち上がった。 「これは……のどごしがよく、コシもある! いくらでも口にパスタを流し込める!!」 「後味もすっきり。それにしても滴るスープにどこかで飲んだような味が……昆布茶? そう、昆布茶で塩の量を少なくしているのね……」 感心したようにテンションが高くなっていくヒトたちを左右に置き、プレリーはさらにもう一口食べた。 その瞬間、プレリーの眼前が爆発して津波が襲ったような錯覚をする。 「すごい……トマトを使ったソースの味が残っているのに、しっかりモッツアレラチーズの味を際立ている。それだけじゃない。 素材一つ一つ……麺の味すらも私にしっかりと伝わる。すごい、まるで味のオーケストラよ!!」 食したみなの頭上から光が射しこみ、天国に昇るような気持ちを味わう。 その瞬間こそヒトが無防備になる。よって、闇の料理はヒトを支配する。もう天道の料理に彼らが美味いということはない。 癖になるほどの食の快楽。闇の料理人に伝わる秘法こそ、ヨミの切り札だ。 ヒトビトは味の快楽に味わわされ、しばらくは身体を流されるまま至福の時を過ごした。 ロイは目の前のパスタを味わい、手を震わせていた。 美味い、美味すぎる。もはや周りはヨミの料理に夢中だ。 天道は、光の料理人は勝てるのだろうか。 「ロイさん、大丈夫だよ」 驚愕に打ちひしがれるロイにエールの声がかかる。 彼女はヨミのパスタを口にしても、安心しきった笑顔をロイへ向けていった。 「天道は勝つよ、絶対」 落ち着き払ったエールの笑顔を前に、ロイは彼女の信頼の深さに驚いた。 ロイは天道を見る。勝って欲しい。料理界のためにも。 手に汗を握り、天道の料理を待った。 勝ちを確信して笑みを浮かべるヨミだが、天道は自分の番をただ静かに待つ。 微塵も動揺していない天道を前にヨミが絡んできた。 「白包丁を使わなかったことを後悔するがいい」 ヨミの自信満々の言葉に天道はフッ、と笑顔を浮かべる。余裕の態度にヨミが少しだけ不機嫌になるが、自分の勝ちが確定だと思っているのだろう。 ヨミはすぐ離れた。 「みなさん! 闇の料理人・ヨミシェフの料理は堪能いただけましたか? ならば次は我らがガーディアンの天才料理人、天道総司シェフの料理です! どうぞ!!」 司会であるウイエの合図に拍手があがり、天道の料理が配られていく。 配られた客に浮かれたような空気が流れ、司会のウイエがマイクを持つ。 「品目はあさりと魚介のペスカトーレ! 天道シェフの一番得意な食材は魚貝類です。これは楽しみ! それでは試食を始めてください!」 司会の誘導と同時にみなのフォークがバラバラに進む。 先程のヨミの料理に酔いしれている者もいるのだ。フォークの動きが遅いのも当然だ。 ヨミが勝ち誇ったように胸をはる。パクリ、とプレリーたちが天道のペスカトーレを口にした。 「うっ…………」 一瞬で静まり、周囲がうなだれる。その様子をみてヨミが口を出してきた。 「悲しいほどマズイのか? ならば俺の料理をお代わりさせてやろう。さあ、存分に……」 「「「うま~~~い!!」」」 会場がどよめき、一斉に叫ぶ。完成に地面が揺らいだようにも錯覚させた。 ヨミが驚き戸惑う。その中、天道が不敵に笑っていた。 「新鮮なあさりの味がとても濃い。それでいてしつこくなくあっさり。イカとエビもあさりに負けないで、口の中で弾けて味が染み込むわ……」 「具だけではない。エビとあさりのダシとトマトソースが麺に吸い込まれて舌が刺激される。麺との調和が絶妙だ!」 解説席の老女と中年男性が満足そうに麺を口に運んでいく。 プレリーはその中央で優雅に食事を口に運んでいった。ナプキンで口を吹きながら天道に微笑む。 「天道さん、相変わらず美味しいです。ありがとうございます」 「当然だ。俺は食べるヒトの笑顔のために料理を作っているのだから」 偉そうながら、真摯な態度が声色に現れていた。天道総司は料理を作ることに命を懸ける。それこそ仮面ライダーとして戦うのと同等なほどに。 プレリーたちはそれを知っているため、満足に頷いて食事を再開した。 そこに納得いかない男が一人いる。ヨミはキッチンを飛び越え、天道の料理を一つ手にとった。 「なぜだ……俺の料理の暗示は完璧のはず。これを超えるには俺の料理より美味くなければならない! 白包丁を使っているならいざしらず、ただの包丁……ッ!?」 ヨミは言葉の途中できる。口に運んだ天道のペスカトーレを味わい目を見開いていた。 震えるヨミに天道が近づく。 「どうだ?」 「……う、美味い。だがなぜだ? 黒包丁を手にした俺を……」 「包丁はしょせん、包丁に過ぎない。たとえそれがどんな銘を持とうがな。食材こそが味を決める。 例えばイカには醤油をベースにみりんと酒を加えたものをすりこんで保存がきいて美味しくなるように工夫している」 「それだけで、ここまで美味しくなるはずが…………」 「積み重ねだ。それらの積み重ねで俺の料理はヒトに笑顔をもたらすことができる。 お前のように至高の味を持って他者を動かすという考えもあるだろう。だが、持っている味をヒトに伝えることこそ、笑顔を見るためのコツだ」 「そんな甘い考えで!」 「ならば思い出せ。お前が始めて包丁をとった日を。始めて食したヒトの笑顔を見たときを」 天道が指をさすと、審査員からはぶられたヒトビトが天道の料理を口にして雑談する姿があった。 天道は審査を兼ねる観客だけでなく、見に来ただけのヒトビト全員分作っていたのだ。対し、ヨミは審査員分の五十食と予備を少ししか作っていない。 ヨミの胸に敗北感があふれ、うなだれる。やがて審査を終える太鼓の音が響いた。 どこまでも広がった青空のもと、勝者となったのは天道であった。 □ 「もういいの? ロイさん」 エールがそう尋ねると、すっきりした表情のロイがナップザックを背負って街の出入口に立っていた。 エールと傍にいる天道にロイは笑顔を向けてあっさりと宣言する。 「ああ、俺は決めたよ。ハンターになる」 「料理は続けるのか?」 「当然。料理人でなくても料理は作れる。ならばハンターとして鍛えながら、料理を身近なヒトにふるまって鍛えていくさ!」 ロイはそういって天道に右手を差し出す。 結局、闇の料理人のヨミは自分を曲げなかった。自分のやり方で、いつか天道を超えてみせる。 彼が宣言して行き先を告げず旅立ったのをみて、ロイも自分の道を決めたのだ。 「あのヨミが再挑戦をしたらどうする?」 「決まっている。成長したアイツを迎え討つだけだ」 「ハハ! 俺も挑戦するつもりだから、そのときは手加減しないでくれよ!」 天道は笑顔を浮かべ、当然だと答えた。ロイはその答えに満足する。 生きる伝説の勝負をみて、ロイは街をあとにする。 このときの経験から彼は仲間のハンターに料理を振るうことを趣味として見出した。 右手を上げてロイは歩く。行き先は風にきいた。 天の道。いつか超えてみせると己に誓い。 To be continued……
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「へー、ずっと見てたんだ。 ならモナ子ちゃんのあんなところやこんなところまで?」 ギコタク先生シリーズより出演。 モナ子の帽子で変身できる。 エロ担当。 エロ担当。 エロ担当。 エロパワーはパーティを救う。 回復専門だが、麻痺攻撃まで使える。 HP吸収にMP減少技も使える。 早い話が補助、回復専門キャラ。 さりげなく精神は高い。 が、精神依存の技はHP吸収のテンプテーションだけである。 回復技が非常に便利。 全体のHPを130回復し、更に戦闘不能以外の状態異常を治す奉仕活動。 全体のHPを100回復し、戦闘不能まで治すセクシーボイス。 さらに封印状態を無効のため、特殊技能を封じられる事はまずない。 が、上二つの技はさり気なく封印状態でも使えたりする。 燃費も悪くなく防御、素早さも低くはない。 だがHPが250と低いため、油断しているとすぐ落ちるので注意。 攻撃力も低く、攻撃には向いていない。 補助、回復専門キャラなのでそこは割り切って使おう。 第一回チキチキ天下一武闘会決勝で戦うジャンヌに変身したハルタートを倒して手に入るブレザーを使うと 防御力と精神力が+50される。 が、低いHPは変わらないので、他のメンバーを強化されるアイテムを狙ったほうがいいだろう。 パーティに入れて戦闘を行うだけで戦闘後にHPとMPが回復する。 この特性は非常に便利で、逃げた時にも発動する。 宿屋いらずキャラの一人。素晴らしい。 手に入る欠片の中ではかなり強い回復役。 こいつを超える回復役欠片は果たして登場するのか? 名前 コメント すべてのコメントを見る
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Gallery [#i25f2123] コメントフォーム [#v04e2978] Gallery 添付可能画像は以下の通りになります。 サイズ 100K まで 形式 jpg、gif、png ※必ず SS投稿ルール をご確認の上投稿してください。 正面(被) 側面(被) 背面(被) 正面(開) 側面(開) 背面(開) attachref attachref attachref attachref attachref attachref コメントフォーム なかなかデザイン的に優れたローブ、ジャイアント女性キャラをお持ちの方、試着してみては? -- 明るい色が出やすい。レモン色、パッションピンク、ペパーミントグリーンなど。他の服類は暗い色ばかりなので染色するか、ピルタレザーと合わせるといいかな。 -- 染色パーツは、A:ベースのモフモフ部 B:腕・腰から下の部分の革パーツ C:斜めにかかっている二本のベルト部分 となってます。 -- SS投稿ルールに基づきGalleryを編集しました。詳しくはSS下の枠内をご確認ください。以降の削除・編集はSS投稿ルールに従ってお願いします。 -- 名前 コメント
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――悪魔殺すべし、慈悲はない 【名前】魔獣ケルベロス 【出典】真・女神転生シリーズ 【説明】 三つ首の犬……ではなく、白い獅子のような姿をした魔獣。 アギ系の魔法やファイアーブレスなど、炎技を得意とし、さらに噛み付きなどの物理技にも長けている。 別名、冥府の番犬。 【パーソナルデータ】 雄、一人称俺。 元はただのシベリアンハスキーだったが、飼い主一家が悪魔に殺されてしまう。 その後、謎のアクマソウルと合体して、デビルバスターとなり、悪魔を殺して回るようになった。 アギダインを覚えている。 【スタンス】 マーダー 【初期支給品】 デカジャの石 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 13 I Wanna Be Your Dog 28 歪みの国のアリス 33 タチムカウ-狂い咲く己の証明-
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名も無き王国で入手することのできるネームレス用の防具。 行動不能系の状態異常を防ぐことができる上防御を+50できるが、精神が-500されるためほぼ1になってしまう。 入手条件は風穴の開いた鎧?と月夜の衣と13000ペリカとの交換である。 風穴の開いた鎧は川井ソースというモンスターが5%の確率で落とすアイテムである。 この川井ソースと遭遇できる確率は低く、万一行動を許せばまず逃げてしまう。 しかも落とす確率は5%しかないため、真面目にやれば何時間たっても出ないこともある。 月夜の衣は、隠れ団イベントをこなしたものにだけ与えられるアイテムである。 このイベント、期間限定であるうえその期間もなかなかに短い。 キャラが半透明になっているため探すのも一苦労である。 更にこのアイテムを作るには時間制限があり、なんと名も無き王国が崩壊するまでという非常に短い期間である。 それまでにこの二つのアイテムを入手するのは相当な手間である。 にもかかわらず手に入るのはこんな性能の低い鎧である。 精神が1になる効果がとことん足を引っ張るうえ防御も50しか足されない。 状態異常耐性もあるがそれを差し引いても割に合わなさすぎるマイナスっぷりである。 労力に対し手間がかかりすぎる鎧。 正直これだけの手間をかけたならもっとバランスブレイカーであってもいいはずなのだが、どう考えてもマジカルアーマーの方が高性能。 これはひどい。 しかしこのアイテムを作っておかなければ、後々後悔することになる。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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プチリレーより登場。 英語で「閲覧するもの」を意味する言葉である。 機械技師が作ろうとしているもので、最終目標。 それを作るために機械技師は様々な分野の技術者をdatの世界中で探し、実際に開発スタッフとして引き抜き活躍させている。 本来、原作においては「空を駆ける機械」だそうだが、datの世界で建造・開発されたものは「空間転移」による移動を実現する乗り物がまず開発された。 モラナー達の尽力により、晴れて試作初号機が実践運用テストを行うまでにこぎつけたのである。 タクシーを改造して作られたそれは、モラナーとフサムレスとサイバーギコを乗せてdatの世界をランダム移動している段階から、地道なマッピングによりある程度狙った場所に空間転移移動を行える目処がついたらしい。 現状、試作初号機に飛行能力はないため機械技師は難色を示したようだが、将来的にはまさに空が飛べるようになる…、かもしれない。 ちなみにベース車両は某都内でおなじみ、グリーン主体の塗装が施された中型クラウンコンフォート。 などと言っていたら、いよいよイイアジャンを開発チーフとして(ほぼ全てハイン博士の手によって)試作弐号機が開発された。 形は緑色の球体であり、力場バリアーを張ることによって完全な球体となることで全ての摩擦を限りなく0にすることができる。 それによりあらゆる攻撃を弾くだけでなく運動エネルギーが減衰することなく加速してどこまでも飛んで行けるという仕組みとなっている。 搭載するメイン動力源は浮遊石?であり、これが大きくなればなるほど、より長い距離を、より高高度まで、より高速で飛行が可能となるらしい。 ちなみに愁が艦長だったがのちに去っていった。 最終的にはこれをベースに空間転移の搭載されたものが「ブラウザ」の完成形になる…、かもしれない。 力場バリアーは初号機にも搭載され、自衛能力強化がはかられたが、球体からかけ離れた車体形状ゆえか燃費面で課題があるらしい。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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仮面ライダーディケイド VS とある魔術の禁書目録 第三話「混ざりゆく世界」 ◇ 「アンチスキルが動けないって、どういうことなんですか?」 風紀委員活動第一七七支部。 そこで御坂美琴はメガネを掛けた高校生のジャッジメント、固法美偉に詰め寄っていた。 士達……ディケイドがこの世界にやって来てからすでに一週間が経っている。 だというのに美琴達との戦闘以降、まともなディケイドの情報は掴めていない(ある学生寮付近で謎の戦闘跡があったが、ジャッジメントに知らされぬまま処理されている)。 その原因の一つとして、アンチスキルの動きがほとんどないというのがあげられる。 同じ治安維持組織と言えどもジャッジメントは学生のみで構成されている、学園都市の踏み込んだ箇所への捜査権限は無く、アンチスキルに任せざる負えない部分もあるというのにこれではどうしようもない。 「落ち着いて御坂さん、こっちでも確認を取ってるんだけど、どうにもアンチスキルの命令系統が何者かにいじられてるらしいのよ」 「そんな、アンチスキルの命令系統に手を出せるなんて……まさかそれもディケイドの仕業なんですか!?」 「そこまでは何とも言えないわ、ただ、そんな状態で下手に動いたら逆にディケイドやスキルアウトの犠牲になるだけ……わかるでしょう?」 犠牲になるとまで言われては美琴は何も返せない。 それでもディケイドを放っておく形になっている現状に納得できない顔をしているのを見て、黒子が横から話に入ってくる。 「スキルアウトと言えば、連中、最近また動きが活発になってるらしいですの」 「ああ……その話なら聞いたことあるわ、何でも能力者が何人か行方不明になってるとか」 黒子の話に固法の表情が若干曇る。 一時期彼女自身も能力者であることを隠してスキルアウトに入っていたことがあり、その時所属していたスキルアウト関連の事件がつい一月前にあったばかりだ。 やっていることも能力者狩りと、前と同じ事もあり彼女にとってはあまり好ましい話題ではないのだろう。 「あ、白井さん白井さん」 「なんですの初春?」 部屋の奥から黒子を呼びつける声が聞こえ、棚で仕切られた奥を覗き込む。 そこで一台のパソコンを操作している少女、初春飾利は画面をじっと見つめながら口を開く。 「丁度今スキルアウトの事件について調べてたんですけど」 「連中のアジトでも見つけたんですの?」 側まで歩み寄り画面を見つめる。 初春が纏めた情報の文書へ目を通し、その内容に表情を厳しく変化させた。 「この情報、信用できますの?」 「ネット上の目撃証言でしかないですけど、スキルアウトによる被害の位置とは合ってます」 「……まだ詳しい位置までは公表してないはず、ということは信頼性は高いですの」 「ちょっと、何の話よ?」 二人の話に焦れて美琴が問いかけ、黒子はしばらく悩みそれに答える。 「能力者狩りの目撃情報ですの……スキルアウトを、ディケイドが率いていたと」 「何ですって!?」 ◇ 光写真館。 その一室で士は右手の包帯をゆっくりと外していく。 「士君、どうですか?」 「……問題ない、もう治った」 軽く拳を握り感触を確かめてからの言葉に、夏海はほっと息と吐く。 「だけどこれからどうする? もう迂闊に外にも出れないぞ」 「士は言うまでもなく、僕らもその仲間とすでに認識されてしまっているからね、お宝も探せやしない」 この一週間、士たちは何の行動も取れていない。 学園都市の監視は厳しく(何故か光写真館の内部までは監視の目が届いていないのだが)、少し外に出るだけで無人兵器らしき物が睨みを効かせてくる。 恐らくは鳴滝の仕業であろうディケイドの悪評を何とか払拭したいところなのだが、動くことができなければどうしようもない。 ……あるいは、彼らを追跡するものが無人兵器のみだという不自然さに気づいていれば、また話は別だったのかもしれないが。 「でも、ライダーの世界を巡っている時もディケイドは敵視されていたけど何とかなりましたし、今回だっていつものようにやれば大丈夫ですよ!」 「いつものように、ね……いつもはその世界のライダーの側で行動してたよな」 「そうですよ、だから今回も」 「で? この世界のライダーに当たる人物とやらは一体誰で、ここから動くことさえままならない状態でどう見つける?」 「……どうしましょう?」 乾いた笑いで返す夏海に大きくため息を吐く。 その時、奥のキッチンから一人の老人、光栄次郎が人数分のホットケーキを持ってやってきた。 「まあまあみんな、難しく悩んでるだけじゃまいっちゃうよ、ほら、これでも食べなさい」 「おっ、遠慮なくいっただきま~す♪」 「ねぇねぇ、困ってるなら私と夏海で調べてきましょうか?」 考えるの事をあっさり放棄してホットケーキへと向かうユウスケの頭上を小さな銀色のコウモリが通りぬけ、士達の前で羽ばたきながら意見を出す。 「キバーラ、協力してもらえるんですか?」 「別にもう鳴滝様に味方する理由もないしね~、今の私は夏海のみ・か・た♪」 夏海の周りを飛び回るキバーラを見ながら士は考える。 ライダーの世界を旅していたころと違い、今の夏海は戦う力がある。 そして恐らくはまだ士の仲間として認識されていない、現状で唯一動ける人物だ。 「けど夏みかんじゃな……」 「何言ってるんですか士君! ここは私に任せてください!」 「そんな心配しなくても大丈夫よぉ、私だってついてるんだしぃ」 「はぁ……仕方ないな、無茶はするんじゃないぞ」 仕方ないといった様子で頷く士に、夏海ははりきってキバーラと共に学園都市へと繰り出して行く。 その様子を見ながら、士は真剣な表情で思考を巡らしていた。 ◇ 狭い路地。 昼間だというのに周囲の建物に遮られて日も入らず、路地の外からでは何が起こっているのか見ることさえできない。 そんな、助けがやってこないのが当たり前の世界で一人の男が複数の人間に取り囲まれていた。 「スキルアウトか……! だが相手が悪かったな!」 男が不適な笑みを浮かべたままその場で拳を振るうと、明らかに間合いの外にいたはずのスキルアウトの一人が見えない力を受けて吹き飛ばされる。 「能力者を甘くみるなよ!」 彼の能力はレベル3の念動力【テレキネシス】。 拳を動きと同じ軌道を取る『力』を自身の視界内に生み出すことができる能力だ。 この能力なら最小限のモーションで相手を倒すことができ、多数の相手だろうと遅れはとらない。 自分の優勢を確信する男だったが、スキルアウトはまったく怯んだ様子がなく、不気味な笑みを浮かべながら包囲の輪を狭めてくる。 「な、何だこいつら……」 言い得ぬ悪寒を感じながらも能力を発動しようとするが、それより先にスキルアウトが動きを見せた。 「――っ!?」 男が息を飲む。 自分を取り囲んでいた人間が一瞬にして緑色の異形へと姿を変えたのだから無理もない。 能力者の中には自分の姿を変えたり、相手に自分の実体を見せないようにする者もいるがスキルアウトは無能力者の集団、まさか全員がそんな能力を持っているはずもない。 「馬鹿な、スキルアウトが能力を……!?」 思わぬ出来事に後ろへ下がりかけ、いつの間にか真後ろにいたスキルアウトに驚きながら振り向く。 「くそっ、能力者だろうが関係――」 思考を落ち着かせる間もなく拳を構え、能力を発動する寸前、気づく。 周囲のスキルアウトの姿が異形の怪物から再び変わり、人間の姿に……自分と寸分違わぬ姿へと変化したことに。 「な、んだ……何なんだ、お前らの能力は!?」 「俺か? 俺の能力は……」 目の前のスキルアウトが拳を振り上げる。 「レベル3の、テレキネシスだよ!」 「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ◇ 「自信満々で出てきたのはいいけど、何も見つからないわねぇ」 「そうですね……スーパーショッカーの怪人もいないみたいですし」 士には大見得を切ったものの、夏海たちとて行くべき宛てなどありはしない。 とはいえ何の収穫もなく戻って士に嫌味を言われるのも面白くない、というわけで無目的に歩き回るだけの時間が続いている。 「あれ? あの人達って……」 ふと視線を上げると、士と戦った二人の少女が話しているのを見つけた。 丁度同じタイミングで向こうもこちらに視線を向け目があってしまう。 咄嗟に身構えるがそのまま視線を外され、自分のことを覚えていないのだと気づく。 あの時二人の目は士に集中していた、隣にいた夏海には気付かなかったのだろう。 ほっとしながら早く立ち去ろうとした時、近くの路地から悲鳴が聞こえてきた。 「お姉さま!」 「わかってる!」 黒子と美琴は即座に反応し路地悲鳴の下へと駆け出していく。 「キバーラ、私たちも!」 「いいの? 下手に関わって士の仲間だってバレたら大変よ?」 「でも、放っておけません!」 「まぁ夏海がそういうならいいけどね~」 二人の後をついていく形で夏海が走り出し、その直後路地から一人の男が飛び出してきた。 全身をボロボロにしたその男は黒子の付けているジャッジメントの腕章を見ると這いずるようにして近づき、怯えた表情で口を開く。 「た、助けてくれ! あいつら、ただのスキルアウトなんかじゃない……!」 「落ち着いて、今救急車を呼びますの」 「黒子、その人お願い!」 「ちょっ、お姉さま!?」 男を黒子に任せ、美琴は単身路地へと飛び込んでいってしまう。 後を追いたいが痛めつけられている男を放っておくわけにはいかない、黒子が悩んでいる間に、夏海はその横を駆け抜ける。 「!? 待って、この先は危険ですの!」 「大丈夫です、あの人は私が守ります!」 「ちょっと……ああもう、何でこう一般人がジャッジメントより危険な場所に行くんですのー!」 ◇ 路地に入った美琴は目の前の光景に言葉を失っていた。 ついさっき助けを求めてきた男、その男と寸分違わぬ姿をした男が二十人近くいるのだ。 「何こいつら……能力者……?」 「常盤大の制服か、いいねぇ……お前、レベルはいくつだ」 男の一人が美琴へと問いかける。 まるで品定めをするかのような視線に顔を歪め、パリパリと火花を散らしながら答えを返す。 「レベル5、能力はエレクトロマスター」 「なっ!? まさか、常盤大のレールガ――」 言い終わるよりも先に放たれた電撃が男たちをなぎ倒す。 改めて気を失った男を見るが、やはりその姿はどれも同一だ、その奇妙な光景に眉を顰めつつ黒子と連絡を取ろうと踵を返すが、背後で何かが動く気配を感じ再び振り返る。 「……あんたがこいつらの親玉、ってとこかしら?」 路地の奥からムカデを模した怪物、ジオフィリドワームが美琴へと敵意を剥き出しにしながら現れる。 前髪から電撃をパリパリと放って威嚇しながらいつでも動けるように重心を低く―― 「キバーラ! 変身!」 「はいは~い、へ~んしんっ♪」 「えっ!?」 美琴の横を駆け抜けながら、夏海はキバーラを前に翳して意識を集中させる。 キバーラから無数のハートが舞い夏海を包み、その中から白い甲冑を纏い赤い瞳をした姿へと夏海は変身する。 仮面ライダーキバーラ、世界の破壊者となった士を止めるため、夏海が手に入れた戦うための力だ。 突然の乱入者に困惑する美琴には構わず、ジオフィリドワームへと組み付きその腕を抱え込む。 「夏海、離れちゃダメよぉ?」 「わかってます!」 密着状態での攻防を繰り広げるワームと夏海に美琴は焦れる。 美琴からは白い甲冑の女性が何者かはわからないが、自分の味方をしてくれているのは確かだ。 ならば共闘するべきなのだろうが、こう密着されては電撃の攻撃で巻き込んでしまい動きがとれない。 「ちょっと、離れてくれないと巻き込むわよ!?」 「離れたらダメなんです! 私じゃクロックアップに対抗する手段が――!?」 「夏海! こいつ、このまま――」 キバーラの言葉が途中で消え去る。 ワームが夏海に掴まれたままクロックアップに入り、美琴の前から去ったためだ。 その場に残された彼女はまったく掴めない状況に頭を抑え、直後起きた現象にうんざりとした表情を作る。 「今度は何よ……」 オーロラのような壁が現れ、そこから一つの人影が出てきた。 その人物は美琴が反応するより早く、自らのベルトに一枚のカードを挿入する。 「ディケイ……!」 『ATTACK RIDE BLAST!』 電子音と同時にライドブッカーから放たれた銃弾に、付近のガラクタを磁力で集め即席の盾を作る。 だが予想していた衝撃はなく、盾の影で様子を伺っていると周囲のスキルアウト達の体が爆発、四散した。 「な……!?」 ようやく先程の攻撃の狙いがスキルアウト達だったことに気づき、盾を解除して目の前に立っている『ディケイド』を睨みつける。 「あんた、なんて事を……! スキルアウトはあんたの仲間じゃなかったの!?」 美琴の怒号には答えず、ただ静かにライドブッカーを向けて引き金を引く。 再び放たれた銃弾を磁力によってビルの壁に張り付くことで回避、反撃として放った電撃はソードモードへと変形させたライドブッカーを前に突き出すことでかわされてしまう。 と、その行動に首を傾げる。以前戦った時は今のとは比べ物にならないレベルの雷撃をまともに受けたというのにダメージはなかった、ならば何故今回はわざわざ回避したのか。 (そういえば前の時は姿が変わってた……あいつの能力は、何か条件があるの?) 思考を巡らせ、その一瞬の隙に『ディケイド』は再びカードをベルトにセットし起動させる。 『KAMEN RIDE KIVA!』 「しまっ……また別のに!?」 黒い体に赤い装甲、黄色い瞳はコウモリの羽を思わせ、右足と体を覆う銀の装甲は何かを拘束するかのように鎖で縛られている。 キバ、運命の鎖に立ち向かう、気弱ながら心優しき青年が変身する仮面ライダーだ。 姿を変えた『キバ』へと電撃を放つがその攻撃が届くよりも早く『キバ』はその場から離れる。 自身の雷撃で『キバ』の姿を見失ってしまうが、美琴は常に発している電磁波の反射波により周囲の物体を感知することができる、すぐさまその位置を確認し、 (……!?) 振り返る暇さえ惜しみ、磁力を解除し二、三クッションを挾みながら地面へと降り立つ。 同時に強い力で砕かれた壁が美琴の周りに降り注ぎ、自分の判断が遅れていたらと背筋を震わせる。 先程まで自分のいた位置を見上げると、わずかに壁面からせり出た換気口に「逆さま」に立つ『キバ』が美琴の方を見上げながら新たなカードをセットしていた。 『FAINAL ATTACK RIDE KIKIKIKIVA!』 激しく鳴る電子音に反応し、右足を拘束していた装甲がはじけ飛ぶ。 内に収められていた血のように赤い翼が広げられ、重力に逆らった体勢のまま右足を高く振り上げ、地上の美琴へと「飛び上がる」。 その右足から感じる圧迫感に、美琴は理性で考えるより早く、自らの最強の技を放とうとコインを構え迎え撃つ体勢を取った。 『ATTACK RIDE BLAST!』 「ぐぁっ!?」 「な!?」 『キバ』と美琴の激突を妨害したのは横からの銃撃。 銃撃が放たれた方向を向いた美琴は、そこにいた人物に思わず一瞬動きを止めてしまう。 「まったく、夏みかんを追ってきたら面倒なことになってやがる」 「ディケイド……!? どうして、だってこいつも……」 「ああ? ……なるほどな、だいたいわかった、こいつが俺になりすましてこの街で悪さを働いてたってとこだろ」 「偽物……?」 美琴と士、二人の視線に晒されながら『キバ』は何も言わず更なるカードを取り出し戦う意思を見せる。 『FORM RIDE KIVA BASSHAA!』 『キバ』の右腕と体に鎖が幾重にも巻きつき、緑の装甲へと変質する。 瞳も同じ色へと変化し、右手には魚のヒレのを模した装飾が施された緑の銃が現れ構えを取った。 「ディケイドの力を使いこなしてるとはな……おい、下がってろ、後は俺がケリをつける」 「冗談! 私たちの街で好き勝手やられてんのよ、放っておけるわけないでしょう!」 「あのな……っておい、電撃はやめろ!」 急に強い口調で静止され、慌てて放とうとしていた電撃を解除する。 一瞬遅れて足元に違和感を感じ見下ろしてみると、一面が膝の辺りまでの深さの水で浸されていた。 士の警告が少しでも遅れていたら『キバ』だけでなく自分達も電撃を浴びることになっていただろう。 「な、何よこれ!?」 「キバの力だ、自分の有利なフィールドを作り出す」 「有利って、これじゃあいつだって動きにくい……」 「来るぞ!」 言葉を途中で遮り士は美琴の前に立つ。 同時に『キバ』が放った水弾をライドブッカーで切り払い、ガンモードで反撃しようとするが水面を滑るように動く『キバ』を捉えることができない。 「あんた、私を守って……?」 「魚人相手に水中戦は不利か、おい、ビリビリ中学生」 「んなっ!? あんたまでビリビリ言うな!」 「掴まってろ」 「え?」 『KAMEN RIDE SKY!』 美琴を抱き寄せながら士もその姿を変化させる。 深い緑のボディを茶色の装甲が包み、赤い瞳と同じ色をしたスカーフが風になびく。 スカイライダー、空を愛し、決して優しさを忘れない青年の変身する仮面ライダーだ。 『ATTACK RIDE SAILINGJUMP!』 「はっ!」 「きゃあああ!?」 セイリングジャンプ、スカイライダーの持つ重力低減装置による飛行能力だ。 水中から飛び出し、叫ぶ美琴には構わず水面の『キバ』を睨みつける。 「おい、その辺の屋上に置いておくから逃げておけ!」 「な……さっきも言ったでしょ! このまま放っておけない……っての!」 士の言葉を跳ね除け、空中から強烈な雷を『キバ』へと放つ。 バッシャーフォームの得意とする水中フィールドを作りだしたのが裏目に出た、持ち前の超感覚で雷撃の直撃こそ回避するが水を伝う電撃からは逃げられない。 たまらずフィールドを解除し膝をつく『キバ』を見て、ようやく美琴は満足な笑みを浮かべた。 「どうよ! 私だって戦えるっつーの!」 「なるほど、確かに少しは頼れそうだ、なら、今度は俺の力を見てもらおうか!」 再びビルの壁面へと張り付いた美琴へと声をかけ、一枚のカードをディケイドライバーで起動する。 『FAINAL ATTACK RIDE SSSSKY!』 「はあああああ!」 よろめいたままの『キバ』へと士は回転を繰り返しながら突き進む。 「ぐ……」 『FORM RIDE KIVA DOGGA!!』 『キバ』が呻きながらカードを起動させると、緑の装甲が剥がれ、両手と胴体を新たに紫の頑強な鎧が包み込む。 更に巨大な拳を模したハンマーが現れるが、それを手にする前に士の大回転スカイキックが炸裂し吹き飛ばされる。 地面を転がりながら、激しいダメージによって元の『ディケイド』に姿が戻るのを見て士と美琴の二人も地面へと降り立った。 「やったの?」 「まだだ、直前で装甲の厚い形態になって直撃を避けやがった」 二人は倒れている『ディケイド』へ慎重に近づいていく。 だがそれよりも早く『ディケイド』は立ち上がり、ライドブッカーを構えカードを起動する。 『FAINAL ATTACK RIDE DEDEDEDECADE!』 士達と『ディケイド』の間に10枚のエネルギーの壁が浮かび上がる。 起死回生の一手としては甘い、それほど広くなり路地といえど、大きなダメージで動きが鈍っている状態での直線にしか飛ばない攻撃を回避できないほどではない。 美琴の腕を引っ張りながら射程外へと飛び、『ディケイド』が続けて起動したカードに仮面の下の目を見開く。 『ATTACK RIDE ILLUSION!』 ファイナルアタックライドの予備段階のまま『ディケイド』が三人へとその数を増やす。 カード名こそ「幻」だが三人の『ディケイド』全てが実体を持っていることを士は知っている、この路地では三発のディメンションブラストを回避しきることは不可能だ。 「くそっ、間に合え!」 『FAINAL ATTACK RIDE DEDEDEDECADE!』 相殺しようと士も動くが、イリュージョンのカードを使うだけの時間はない。 士の放った光弾は一発のディメイションブラストを相殺するが、残る二発は変わらぬ威力のまま二人を飲み込もうと突き進む。 「士!」 せめて美琴だけでも守ろうと、その体を抱き寄せ自分の影に隠そうとする士の耳に聞き覚えのある声が届く。 「ユウスケ!? ダメだ、来るな!」 通りからトライチェイサーを駆って来たユウスケに警告するが、何を思ったか逆にスピードを上げて士達の横を抜けエネルギーの本流の前へと飛び出していく。 ディメイションブラストがユウスケを飲み込もうとした瞬間急停止、トライチェイサーの後部に乗っていた男が前に出てその「右手」を叩きつける。 「っだあああああ!!」 「な、なんであんたがここにいるのよ!?」 「イマジンブレイカーだと……何故貴様がディケイドの味方をしている!?」 ディメイションブラストを打ち消した男、上条当麻の姿を見て初めて『ディケイド』が言葉を発する。 その問いに答えたのは上条ではなく、『ディケイド』の背後、路地の奥からやってきた男。 「あえて理由を挙げるなら、お前は動きすぎたのさ」 「何……!?」 不敵な笑みを浮かべ話す男、土御門の背後には先程ワームと共に消えた夏海とディエンドに変身した海東の二人が立っている。 その様子はどう見ても敵対しているようには見えず、『ディケイド』を共通の敵と認識していることを意味していた。 「ディケイドとして学園都市のあちこちで悪事を働いて、そっちの本物のディケイドに罪を擦り付ける。 悪くはなかったが、本物が身動き取れない時にまで能力者狩りをしてたら流石に気づかないわけがない。 まあそれ以前の問題として、ここのトップはあまりお前のことを信用してなかったみたいだがな」 「あ……スキルアウトが動かなかった理由って」 「もうすぐディケイドの手配も解除される、後はお前を捕まえれば万事解決ってわけだぜい」 笑みを深くしながらの土御門の言葉に『ディケイド』は悔しげに拳を強く握り締める。 その様子を見て、今まで黙っていた士が一歩前に出て声をかける。 「種明かしもオシマイのようだ、次は俺の質問に答えてもらうぞ。 どうしてお前がディケイドの力を使っているんだ……鳴滝」 「僕も疑問だね、士の評判を落とすためとはいえ、あんたがここまで自分で動くなんてらしくない」 士と海東の問いかけに『ディケイド』……鳴滝は小さく、低い声で言葉を吐き出した。 「私には、もう、何も残っていないのだ……」 「なに?」 「ディケイド! 貴様は必ず倒す……貴様も、貴様に味方する者も、全て!」 「なっ……待て、鳴滝!」 憎悪に満ちた言葉をぶつけると同時に、オーロラの壁が鳴滝の体を包み込みその姿を消してしまう。 鳴滝の持つ世界を越える力を知らない土御門達は慌てて周囲を見渡すが、当然見つかるはずもない。 「どういうことだ……鳴滝の狙いはあくまで俺だけだったはず……」 「それ以前に、あの人は士が世界を破壊するからそれを止めようとしてたんだろ? 何でまだ俺たちを狙ってくるんだよ」 「やれやれ、どうにも情報整理が必要なようだにゃー? それならこんなところで立ち話も難だぜよ」 変身を解除し悩む士達へと呼びかける。 鳴滝による誤解が解けたとはいえ一時は敵対していた者同士、互いに話しあう必要はあるだろう。 「……そうだな、一度戻るとするか」 ◇ 名も無き荒野。 誰にも知られず、誰の記憶にも残っていないその場所に彼は立っていた。 くすんだ色の帽子をかぶり、丈の長いコートを羽織った初老の男、鳴滝はそのどこまでも続く荒野を遠い眼で見つめ続ける。 その右手に持っていた物に視線を落とし、強く握り締める。 それは一本のメモリースティックだった。 「D」の文字が記されたそのメモリーから、鳴滝の意思に呼応するかのように電子音が流れる。 「貴様だけは、絶対に許さん……!」 『DECADE!』 第三話 END NEXT STORY「その幻想を破壊せよ」
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「お前に一度頭をぶつけてやる!」 True intervalより登場したツェルディスの戦友。 MPの意味がまったくない。 攻撃力が高く、クリティカル率も非常に高いため通常攻撃だけでもわりと火力がある。 ただし当たらない。命中が低いため当たることが少ない。 おまけに鈍足。余計に攻撃が当たらない。体感が実数値よりも遥かに命中を低く感じさせる。 HPが高いのもあり、アイテム係に回りがちである。 ちなみに強いと言っても倍化属性とかはないので威力が運になりばらけがち。使いづらいし選ばれづらい。 援護行動は通常攻撃であり、230~330のダメージを敵単体に与える。 ちなみに必中である。クリティカルは出ないのだが、さすがに普通に参加した時もそれくらい当てろといいたくなる。 まあパーティーメンバーと援護メンバーの性能の違いはバトルイベント処理の都合であり、仕方がないのだが実に歯がゆい。 そんなわけで、ほぼ援護確定のキャラ。報われない。 同僚のモラネクトに比べてストーリー上で目立っているだけ恵まれてる、と前向きに考えてやろう。 名前 コメント すべてのコメントを見る